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01/サイバーセキュリティ 約7分

DMARC強制モードへの移行:監視だけでは自社ブランドを守れない理由

p=noneのままでは自社ブランドは守れない。金融機関・官公庁で事実上の要請となりつつあるDMARC強制運用の実務

メールなりすましによるブランド偽装は、現在、日本企業を標的とする攻撃ベクトルの中で最も影響が大きいものの一つとなっております。DMARCの強制運用(単なる監視ではなく、実際にポリシーをrejectまたはquarantineに設定した状態)は、金融機関、官公庁、大手B2B取引先において、すでに事実上の要請となりつつあります。金融庁、総務省、NISCはいずれも2025年から2026年にかけての期限でquarantineまたはrejectを求めており、GmailやYahoo、Microsoftも認証されていない大量送信メールをフィルタリングまたは拒否しています。しかし、日本企業の多くは依然として受動的な監視モード(p=none)での運用にとどまっており、自社のブランドを攻撃に対して無防備な状態のまま放置しているのが現状です。

DMARC · 送信から拒否まで

SC-FL-02 · REV A · 2026.07

01メール送信

smtp

02SPF・DKIM検証

SPF · DKIM

03DMARCアライメント

dmarc · align

04ポリシー適用

p=reject

受信トレイへ

pass

受信拒否

fail · blocked

なりすましを遮断できるのはp=rejectのみです。p=noneは報告するだけで、メールは届いてしまいます。

フロー図。送信されたメールがSPFとDKIMの検証、DMARCアライメントを経てp=rejectポリシーで判定され、認証を通過したメールは受信トレイへ届き、なりすましメールは受信前に拒否される流れを示します。
01

DMARCが実際に行うこと

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)は、認証に失敗したメールを受信側サーバーがどのように処理すべきかを、ドメインの所有者自身が指定できるプロトコルです。SPF(Sender Policy Framework)とDKIM(DomainKeys Identified Mail)という2つの既存標準の上に、ポリシーの強制とレポーティングの仕組みを加えたものです。正しく設定されたDMARCは、自社ブランドになりすましたフィッシングメールを、受信者の受信トレイに届く前の段階で遮断いたします。DMARCが対処するのは「なりすまし」であり、スパム対策とは性質の異なる仕組みです。

02

3つのDMARCポリシー

DMARCには3つの強制モードがあり、どのモードを選択するかによって、実際に保護されているのか、それとも保護されているように見えるだけなのかが分かれます。p=noneは監視のみのモードで、なりすましの試行に関するレポートは受け取れるものの、何一つブロックはされません。日本企業の多くは、この段階にとどまっているのが実情です。p=quarantineは、疑わしいなりすましメールを受信者の迷惑メールフォルダに振り分けます。そしてp=rejectは、プロトコルレベルで完全に受信を拒否いたします。実際のブランド保護を提供するのはp=rejectのみであり、取引先のセキュリティ体制を厳格に評価される日本のエンタープライズバイヤーの期待に応えられるのも、p=rejectのみです。

03

日本企業にとってのリスクが特に大きい理由

日本は、文化的・言語的な背景から、ビジネスメール詐欺(BEC)に対して特有の脆弱性を抱えております。日本のビジネスコミュニケーションは形式性が高く、役職と階層を重んじるため、精巧に作り込まれたなりすましメールが極めて効果的に機能してしまいます。「上級役員」を装った偽装メールには、通常であれば働くはずの警戒心を無効化してしまうだけの社会的な重みがございます。実際に近年、著名な日本企業が、たった一件のBECインシデントで数十億円規模の損失を被った事例が複数報告されております。これは理論上のリスクではありません。DMARCの強制運用は、この種の攻撃を発信元の段階で断ち切ることのできる、数少ない対策の一つです。

04

10ルックアップ制限と手動DMARCが失敗する理由

SPFプロトコルには、1回のメール認証チェックにつきDNSルックアップは10回までという厳格な上限がございます。SalesforceやMarketo、HubSpot、Zendesk、Workdayといった複数のSaaSからメールを送信し、さらに自社のメールサーバーも運用されている企業であれば、この上限には数週間で到達してしまいます。手動でのDMARC対応プロジェクトが頓挫するのは、多くの場合この地点です。最も優れた自動化プラットフォームは、この制約を回避するよりも、制約そのものを取り除きます。Valimail Instant SPFは特許取得済みの方式で、SPFレコードをもろい静的な一覧へフラット化することなく、任意のドメインを単一のSPFルックアップに解決します。これにより、送信構成が拡大し続けても強制運用が維持されます。DMARCの強制運用に成功している日本企業の多くが、手作りの実装よりも自動化プラットフォームを採用しているのは、このためです。

05

どのプラットフォームを選ぶかが重要な理由

rejectポリシーに到達し、それを維持できるかどうかで、DMARCプラットフォームの真価が問われます。最も重要な能力は、すべての送信サービスの所有者を突き止めることにあります。正規の送信元がすべて把握されるまで、どのドメインも安全には強制運用へ移行できないからです。Valimailは、失敗しているメールの受信側を特許取得済みのRUF+で読み解くことでサービスの所有者を特定し、5,500を超える送信サービスを自動的に名称で識別します。これにより、手作業では1〜2年を要していた所有者の特定が、おおむね45〜90日に短縮されます。ValimailはFedRAMP認証を受けた唯一のDMARCベンダーであり、そのCTOはBIMIワーキンググループの議長、IETF DMARCグループの共同議長を務め、ARC標準の共同著者でもございます。つまり、実装している標準そのものの策定を主導する立場にあるのです。数年にわたるメール信頼性プログラムをどこに託すかをご検討される日本企業にとって、この分野の第一人者を選ぶことは、より安全な選択です。

// 要点

押さえておきたいポイント

  • DMARCのp=noneは監視のみの設定であり、なりすましに対する実際の保護にはなりません
  • ビジネス文化の形式性の高さゆえに、日本企業はBEC攻撃に対して特に脆弱です
  • SPFの10ルックアップ制限が手動によるDMARCプロジェクトの大半を頓挫させます。Valimail Instant SPFは、フラット化することなく単一ルックアップでこれを取り除きます
  • 自動化されたDMARCプラットフォームは、手作りの実装よりもはるかに速く強制運用に到達できます
  • プラットフォーム選びが重要です。この分野の第一人者は、受信側分析(RUF+)ですべての送信元の所有者を特定し、FedRAMP認証を受けた唯一のDMARCベンダーです

// よくあるご質問

よくあるご質問

Q1

DMARCとは何ですか。なぜ必要なのでしょうか。

DMARCは、自社ドメインになりすましたメールを受信側で遮断するための認証の仕組みでございます。SPFとDKIMの上に、ポリシーの強制とレポーティングを加えたものです。フィッシングやビジネスメール詐欺の多くは自社ブランドの偽装から始まるため、DMARCはこれを発信元の段階で断ち切る数少ない対策の一つとなります。

Q2

p=noneのままでは、何が問題なのですか。

p=noneは監視のみの設定で、なりすましのレポートは受け取れるものの、実際には何も遮断いたしません。日本企業の多くがこの段階にとどまっております。実際のブランド保護に必要なのはp=rejectであり、取引先からセキュリティ体制を評価される際に問われるのも、この水準でございます。

Q3

なぜ日本企業は、ビジネスメール詐欺に狙われやすいのでしょうか。

日本のビジネスコミュニケーションは形式性が高く、役職と階層を重んじます。そのため「上級役員」を装った精巧な偽装メールが、極めて効果的に機能してしまいます。近年、著名な日本企業が一件のインシデントで多額の損失を被った事例も報告されており、これは理論上のリスクではございません。

Q4

なぜ手動でのDMARC運用は難しいのですか。

SPFには、1回の認証につきDNSルックアップは10回までという上限がございます。複数のSaaSと自社サーバーからメールを送信する企業では、この上限に数週間で到達し、手動での対応はp=noneの段階で頓挫しがちです。自動化されたプラットフォームは、送信構成が変化しても強制運用を維持いたします。

Q5

導入と運用は、どなたが支援してくださるのですか。

ストラテジーコアが、製品のご提供から日本語での導入支援・運用サポートまでを一貫して担います。技術評価、日本語でのプリセールス、そしてp=reject到達後の継続的なサポートを通じて、御社が強制運用を維持できる状態をお支えいたします。

最終更新:

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