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25/サイバーセキュリティ 約8分

シャドーITとその「所有者」の特定:日本におけるDMARC強制適用の最難関

許可されていない送信元を見つけることは、実は前半の易しい半分です。組織内でその送信元を管理している担当者を突き止めることこそが、強制適用が停滞する地点であり、受信側分析が力を発揮する場面です。

メールなりすまし対策の主戦場は、この10年ほど米国と欧州にありましたが、いま日本へ移っています。Valimailの2025年の調査では、新たに観測された詐欺メールキャンペーンの約84%が日本を標的としていました。経済産業省、金融庁、NISC、証券業界団体はいずれも2025年から2026年の期限でDMARCの強制適用を要件または強い推奨に位置づけ、GmailとYahooは2024年2月以降、Microsoftは2025年5月以降、認証されていない大量送信メールを拒否しています。強制適用はポリシー変更のように見えますが、真の難所はその手前、つまり自社ドメインを名乗るすべての正規サービスを洗い出し、その一つひとつの社内管理者を特定する作業にあります。本稿では、なぜ所有者の特定が本当のボトルネックであり、受信側を読み解くことがどう解決につながるのかをご説明します。

シャドーIT · 発見から統制まで

SC-FL-05 · REV A · 2026.07

01送信元の発見

rua · shadow IT

02所有者の特定

ruf+ · recipients

03サービスの承認

SPF · DKIM

04ポリシーの強制

p=reject

05継続的な統制

monitor · new senders

所有者の特定は、ドメインあたり18〜24か月からおよそ45〜90日に短縮されます。

フロー図。自社ドメインを名乗るすべての送信サービスを発見し、受信側の分析で社内の所有者を突き止め、アライメントの取れた認証で承認し、ポリシーを強制したうえで、新たな送信元を継続的に統制する流れを示します。
01

なりすましの主戦場が日本へ移った理由

日本のビジネスメールは、なりすましに対して特に脆弱です。日本のビジネスコミュニケーションは形式的で階層的、かつ役職を重んじるため、上位者を装った偽装メールは、通常の警戒を通り越すほどの重みを持ちます。攻撃者はこの点に着目しています。攻撃者の関心の移動と並行して、規制も厳格化してきました。証券業界団体は加盟各社にrejectポリシーを求め、総務省は通信事業者にquarantineまたはrejectを求め、金融庁は金融機関にDMARCを求め、NISCは政府機関に認証を求めています。Gmail、Yahoo、Microsoftは、認証されていない大量送信メールをすでにフィルタリングまたは拒否しています。監視のみのモードは、規制当局とメールボックスプロバイダーのいずれの期待も、もはや満たしません。

02

問題は2つあり、難しいのは2つ目です

rejectポリシーへ安全に到達するために最も重要なことは、たった一つです。すべての正規送信元を、事前に把握し認証しておくことです。さもなければ、強制適用を有効にした瞬間にそのメールが遮断されてしまいます。この作業は2つに分かれます。1つ目は発見で、自社ドメインを名乗って送信しているすべてのクラウドサービス、マーケティングプラットフォーム、社内システムを洗い出します。2つ目は帰属の特定で、各サービスを申し込み、それが正規であると確認できる従業員またはチームを突き止めます。発見自体も容易ではありません。そして、プロジェクトを本当に停滞させるのは帰属の特定のほうです。送信元のIPアドレスは、大企業の中でどの部署がそれに責任を負っているのかを教えてくれないからです。よく用いられる代替手段は全社アンケートですが、誰も申し込んだ記憶のないシャドーITは、そこから漏れてしまいます。

03

集約レポートが示すのは「間違ったほうの半分」です

標準的なDMARC監視は集約レポートを読み取ります。これは自社ドメインを名乗って送信したサーバーの一覧です。このレポートが示すのは受信者ではなく送信元であり、社内の所有者名まではたどり着きません。より詳しい失敗レポートが手がかりになり得ますが、大手メールボックスプロバイダーはプライバシー上の理由からこれを送信しないため、ほとんど入手できません。その結果、監視のみのツールは、未知のサービスが認証に失敗したことは示せても、それを持ち込んだ担当者への道筋までは示せません。手元に残るのはIPアドレスの羅列であり、どの事業部門に属するのかを推測するほかありません。

04

受信側を読み解けば所有者が分かる

Valimailはこの問題を逆側から解決します。RUF+と呼ばれる特許取得済みの手法(米国特許 US 11,991,139)は、送信元IPに加えて、失敗しているサービスのメールを受け取っている社内の受信者を読み取ります。あるマーケティングプラットフォームが特定のチーム宛てに送信していれば、そのメールを受け取っている人々が、そのサービスを導入したグループを、ひいてはその所有者を直接指し示します。データはMailbox Connectorを通じて取得されます。これは、Microsoft 365またはGoogle Workspaceの受信メールのメタデータを、管理者の許可のもとで読み取る仕組みです。読み取る対象はヘッダーとメタデータのみで、メール本文には一切触れません。またAIに頼らず、決定論的でポリシーベースのモデルで動作します。アクセス範囲は接続したドメインに限定され、いつでも取り消せます。ValimailはSOC 2 Type 2を取得しており、FedRAMP認証を受けた唯一のDMARCベンダーです。その認証エンジンは個人データを一切保持しないため、APPI(個人情報保護法)の観点からも重要な意味を持ちます。

05

18〜24か月から90日へ

この組み合わせにより、従来は1ドメインあたり1〜2年を要していた作業が、おおむね45〜90日に短縮されます。Precision Sender Intelligenceは5,500を超えるサービスを名称で認識するため、未知のIPアドレスもSalesforce Marketing CloudやZendeskといった具体名として解決し、多くの場合は1通のサンプルだけで特定できます。サービスが確認できれば、ワンクリックで承認できます。発見・帰属特定・承認は、決して終わらない手作業のアンケートから、確実に完了する反復可能なプロセスへと変わります。これこそが、rejectポリシーを安全に有効化できるようにする鍵です。

// 要点

押さえておきたいポイント

  • rejectポリシーへ安全に到達するには、まずすべての正規送信元を把握する必要があります。ボトルネックは発見よりも、各送信元の所有者の特定にあります
  • 集約レポートが示すのは送信元IPであり、社内の所有者ではありません。大手メールボックスプロバイダーはプライバシー上の理由から詳細な失敗レポートを送信しません
  • Valimail RUF+(米国特許 US 11,991,139)は、失敗メールの社内受信者を読み取り、サービスを導入したチームを直接指し示します
  • Mailbox ConnectorはMicrosoft 365またはGoogle Workspaceのメタデータのみを読み取り、メール本文には触れず、取り消し可能でAPPIにも適合します
  • 所有者の特定は1ドメインあたり18〜24か月からおおむね45〜90日へ短縮され、これが強制適用を安全に有効化する条件となります

// よくあるご質問

よくあるご質問

Q1

DMARCの文脈におけるシャドーITとは何ですか?

シャドーITとは、セキュリティ部門が把握しないまま自社ドメインを名乗ってメールを送信しているクラウドサービスやアプリケーションのことです。たとえば、ある部門が独自に契約したマーケティングツールなどが該当します。DMARCにおいて重要なのは、ドメインをp=rejectへ移行する前に、こうした送信元をすべて発見し認証しておく必要があるためです。さもなければ、そのメールは遮断されます。

Q2

送信サービスの所有者を見つけることが、なぜそれほど難しいのですか?

DMARCの集約レポートが示すのはメールを送信したIPアドレスであり、その責任を負う担当者やチームまでは分かりません。数千人規模の日本の大企業では、見慣れないIPからはどの事業部門がそのサービスを導入したのか手がかりが得られません。手作業の全社アンケートは時間がかかるうえ、誰も承認を覚えていないサービスを取りこぼしがちです。

Q3

ValimailはどのようにシャドーIT送信元の所有者を特定しますか?

Valimail RUF+(米国特許 US 11,991,139)は、送信元IPに加えて、失敗しているサービスのメールを受け取っている社内の受信者を読み取ります。そのメールを受け取っている従業員が、サービスを導入したチームを指し示します。データはMailbox Connectorから取得し、Microsoft 365またはGoogle Workspaceのメタデータのみを読み取り、メール本文には触れません。

Q4

所有者の特定にあたって、当社のメール本文が読み取られることはありますか?

いいえ。Mailbox Connectorはメールのヘッダーとメタデータのみを読み取り、本文・添付ファイル・リンクには一切触れません。またAIに頼らず決定論的なモデルで動作します。アクセス範囲は接続したドメインに限定され、いつでも取り消せます。ValimailはSOC 2 Type 2を取得し、FedRAMP認証を受けた唯一のDMARCベンダーであり、認証エンジンは個人データを保持しません。

Q5

サービス所有者の特定にはどのくらいの期間がかかりますか?

手作業では、大規模組織で1ドメインあたり18〜24か月を要してきました。RUF+と、5,500を超えるサービスを名称で認識するPrecision Sender Intelligenceを用いると、同じ作業がおおむね45〜90日に短縮され、グループ内のすべてのドメインで反復可能です。

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