販売経路全体で安全性を保つ
販売パートナーはベンダーから聞いた内容をそのまま繰り返し、エンドユーザーはそれを約束として受け取ります。当社が取り扱いの前に確認している事項と、パートナーへ文書でお渡ししている制限事項をご説明いたします。
安全性に関する説明は、経路を移るたびに正確さを失ってまいります。ベンダーが慎重に条件を付して述べた内容が、販社向けに要約され、販売パートナーから顧客へ簡潔に伝えられる。その過程で誰も虚偽を述べておりません。必要なのは安全性への熱意ではなく、製品にできることとできないことを記した文書が、製品とともに、販売する者の言語で移動する仕組みです。
取り扱う前に確認する四点
国内市場で責任をもって取り扱えるかは、四つの質問で判断しております。モデルとデータがどこで処理され、国内に留められるか。人による確認を、将来の予定ではなく現在の製品仕様としてどの判断点に組み込めるか。誤った出力をどう検知し、どの経路でお客様へ通知するか。契約終了時に何を持ち出せ、その手順を誰かが実際に実行したことがあるか。これらに回答できない製品を取り扱わないわけではございません。ただし、販売の進め方と適用範囲を変える必要がございます。
パートナーには制限事項を文書でお渡しする
販売パートナー向けの資料には、多くのベンダーが用意していない項目を設けております。製品にできないこと、そして説明してはならないことです。精度の数値には測定条件を併記いたします。お断りした用途とその理由も記載いたします。日本の情報セキュリティ審査で問題となる具体的な表現も明示いたします。パートナーからは概ね歓迎されております。境界を顧客の面前で知ることになるほうが、はるかに損失が大きいためです。
エンドユーザーは約束として受け取る
商談の場で述べられた内容は、そのままお客様の期待になります。販売経路で形成された期待も、最終的にはベンダーが応える対象です。当社はまず、その用途に本当にAIが必要かどうかから検討いたします。不要である場合も実際にございますので、早い段階で申し上げれば、失うのは一回の商談で済みます。適さない用途については、適さないと申し上げます。導入を前提とはいたしません。
引き渡しには監視対象を含める
出力に責任を持つ担当者が決まらないまま稼働した仕組みは、誰も監視していない仕組みです。引き渡しの際には、何を監視するかを明示いたします。人による確認がどの程度の頻度で覆されているか。稼働後に出力が修正された件数。入力側と出力側の検査を通過した量。そして、立ち上げ担当が離れた三か月目に、それらを誰が確認するか。特別な計測基盤は必要ございません。この不在こそが、審査を通過した仕組みが実運用で危うくなる主要な原因です。
販社が担うべき理由
海外のベンダーからは、自社の慎重な説明が二段階の仲介と翻訳を経てどう伝わっているかが見えません。国内のパートナーには見えており、経路全体を見渡せる位置におります。当社はこれを付随業務ではなく職務の一部と考えております。安全性に関する説明を製品とともに移動させ、実際に繰り返す方々のために日本語で言い直し、誤って伝わっていると分かった時点で訂正いたします。
// 要点
押さえておきたいポイント
- 安全性の説明は経路を移るたびに正確さを失います。誰も虚偽を述べずに、伝わる内容が変わります。
- 取り扱いの判断は四点です。処理の所在、人による確認、誤りの検知、そして実行済みの持ち出し手順。
- パートナー向け資料には、できないことと説明してはならないことを文書で明記しております。
- エンドユーザーとの最初の論点は、その用途に本当にAIが必要かどうかです。
- 引き渡しでは監視対象を明示いたします。覆された確認の頻度、事後修正、検査通過量、三か月目の担当。
- 経路全体を見渡せるのは国内のパートナーだけですので、訂正はその責務に含まれます。
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